夏だからこそ気を付けたい登山の低体温症の原因と対策まとめ

こんにちは、ネイチャーミニマリストのぜんです。

先日こんなニュースがありました。

富士山の安全誘導員死亡 71歳男性、低体温症で

出典:日本経済新聞2018/7/29

富士山の6合目付近、強風で動けなくなった71歳の男性が、救助後に容態が悪化。低体温症が原因で亡くなってしまったのです。

いやいや、なんで暑い時期に「低体温症」になるの?

確かにそう思うかもしれません。低体温症はその名からも、寒い時期にだけ発症しそうですよね。

しかし登山では、低体温症はいつでも、どの山でも発症する可能性があります。山の急激な温度変化、悪天候、強風によって、体温が下がりやすいからです。

そこで今回は、登山をする上で絶対に知っておきたい低体温症の原因と対策について紹介します!

低体温症の原因

登山家

体温が下がることで起きる「低体温症」。厳密にいえば、体の内部の温度が2℃以上低下した状態を指します。

人間は2℃以上体温が下がると、変調が起きるのです。

登山で低体温症になりやすい理由

低体温症は、体から失われる熱量が、体内で生産される熱量を上回ったときに起きます。

そして体から熱を奪う要因は3つです。

  • 低い気温
  • 濡れ
  • 強風

熱を体から奪うこれらの要因が、環境の変化が激しい山には多くあります。

また怪我をして動けなくなった場合は運動による熱生産ができないので、さらに低体温症になるリスクが高まります。

動けないと熱生産ができず、寒い環境から逃れることもできないので、13℃〜16℃の気温でも低体温症になる可能性があるのです。

・低体温症=体から失われる熱量>体内で生産する熱量

・寒さ、冷たい雨と風が体内から熱を奪う。

寒い環境と遭難のリスクがある登山では、低体温症になりやすい

トムラウシ山遭難事故の教訓

トムラウシ山遭難事故とは、2009年7月16日に北海道のトムラウシ山で起きた事故のこと。ガイドを含む8人が低体温症で死亡した、痛ましい事故です。

しかもツアーの参加者は初心者ではなく、防寒対策を行い、非常食も携帯していたにも関わらず、この事故は起きてしまいました。

それでは、なぜトムラウシ山遭難事故は起きたのでしょうか?

それは、前日までに濡れた服を乾かせなかったこと、強風が吹きすさぶ悪天候の中行動したことが原因だと言われています。

ちょっとした判断ミスが、大勢の死を招いてしまったのです。事故が起きたのが初夏の7月ということもあり、低体温症の恐ろしさが世間に知られることになりました。

低体温症の症状、その怖さとは?

体の内部温度の低下によって、以下の症状が現れてきます。

37℃〜35℃寒気を感じて震えが始まる。動作が遅くなる。
35℃〜33℃判断力の低下。正しい思考ができなくなる。
33℃〜30℃震えが止まり、意識が保てなくなってくる。
30℃〜28℃意識がなくなる。
28℃〜26℃不整脈が起きる
26℃〜心肺停止

判断力の低下は35℃から始まる

体温計

体の内部温度が35℃を下回ると、判断力が低下し、思考が鈍ってきます。

登山では、一瞬の判断の誤りが命取りに!周りに危険な道はないか、行動すべきか留まるべきか、常に登山では判断が迫られます。

判断力がないと、遭難のリスクはグッと上がってしまうのです。少し足を踏み外しただけでも、滑落してしまいますよね。

よく低体温症の人が服を脱いだ状態で発見されるのは、判断力の低下と正常な思考が行えなくなっているからです。

34℃が自力回復の限界温度

34℃を下回ると、寒さによる震えが止まり、意識が保てなくなります。

震えは体内で熱を生産するために行われるもの。つまり震えが止まってしまったら、体も体温の上昇を諦めてしまったということです。

そのため34℃が自力回復のデッドラインとなり、これ以上温度が下がると命をなくす可能性が高まります。

30℃以下では意識がなくなり、26℃で心肺停止になる恐れがあります。

初期症状=寒さによる震え、歯がカチカチ鳴る

34℃が自力回復のデッドライン

26℃で心肺停止に

登山の低体温症の予防対策

一度低温状態になると、なかなか回復が難しい低体温症。予防対策をしっかりとって、低体温症を防ぎましょう!

とにかく「濡れ」を防ぐ

低体温症を招く一番の原因は「濡れること」です。

登山では、雨による外側からの濡れだけでなく、発汗による内側からの濡れも対策しましょう。

そのためには、正しい服装が大切!特にベースレイヤーとアウターに気を付けましょう。

ベースレイヤー
一番下に着る肌着。吸汗速乾性と保温性のあるもの。

アウター
一番外側に着る服。防水透湿性が優れているもの(ゴアテックスなど)。

ベースレイヤーには吸汗速乾性が、アウターには防水透湿性が求められます。防水透湿とは、外からの水分を防ぎ、汗など内側からの水分を外に逃がしてくれる機能です。

▼夏山登山の服装について▼

https://nature-mitu.com/summermountain-wear

大雨と強風など、悪天候時に行動しない

悪天候

ちょっとでも山の天候が悪くなりそうなら、行動しないべきです。まずは山に行く前に天気予報を見て、天気が悪くないかチェックしましょう。

しかし天気予報は晴れでも、山の天気は変わりやすいので、突如天気が悪くなることが度々。無理に歩かず、雨風を防げる場所、避難小屋、樹林帯、岩かげに隠れて下さい。

その際は、冷たい地面と断熱するためにエマージェンシーシートを敷くのがベストです。

トムラウシ山遭難事故では、強風の中行動したことが原因で大惨事となったので悪天候時の行動がいかに危険か分かります。

十分なエネルギー補給と水分補給

体内で熱を生産するためには、エネルギー補給と水分補給が必須。

炭水化物はエネルギーにすぐ変わるので、おにぎりやパンを持っておくと良いでしょう。温かい飲み物やスープを水筒に入れておくのも、低温対策に効果的です。

また脱水状態だと熱の生産力が落ちるので、こまめな水分補給が大切です。

なお、カフェインやアルコールは脱水を促すので絶対に厳禁!

▼登山での水分補給を知りたい方へ▼

https://nature-mitu.com/about-heatstroke-in-mountains

自分のペースで登る

日頃から自分のペースで登ることを心がけましょう!

オーバーペースで登ると、過剰に汗をかくので脱水になりやすく、疲労しすぎると熱の生産力が落ちます。また、エネルギー不足にも繋がります。

複数人の登山では、自分だけ登るペースが遅いと焦ってしまいがちです。それでも自分のペースを維持!焦る必要はありません!

周りとコミュニケーションをとる

登山者の列

低体温症の早期発見には、精神症状が手がかりとなります。

同行者が、

  • 足元がおぼつかない
  • 歩くペースが遅れ始める
  • 寒いのに衣服を脱ぎ始める
  • 言動がおかしい

こんな症状がでていたら、低体温症の可能性が高いです。同行者がいる場合、お互いにコミュニケーションをしっかりとって、早期発見に努めましょう。

もしも低体温症になったら?

それでも低体温症になってしまったら?

震えが起きている場合

まだ震えが起きている場合は、

  • 濡れている服を着替えさせ、乾いた衣服を着せる
  • 雨風が当たらない場所に移動する
  • テントやツェルトの中に入れて暖める
  • 回復傾向が見えたら、温かい飲み物・食べ物を取る

震えが止まり、意識が朦朧としている場合

震えが止まり、話が噛み合わず、意識が朦朧としている場合、速やかに救助を要請しましょう。この状態になると自力での回復は見込めないからです。

低体温症の対策アイテム

ツェルト

ツェルトとは、非常時に雨風や体温低下を防ぐための簡易テントのこと。

収納時には缶ビール一本ほどの大きさとなるので、とてもコンパクトで軽い!悪天候になった時、雨風を防ぐのに便利なのでザックにいつも入れておくと便利です。

いざという時に設置できないと困るので、事前に設置方法をマスターしておきましょう。

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エマージェンシーシート

エマージェンシーシートはもっとコンパクトで、収納時にはポケットティッシュほどの大きさになります。

保温性や防風性があるので、急な天候悪化に役立つアイテムです。また断熱性も優れているため、冷たい地面との接触を防いでくれます。

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【まとめ】

低体温症は冬だけでなく、どの時期でも、どの山でも発症する可能性があることを忘れずに!

低体温症の予防法と対策法を知って、安全な登山を心がけましょう!特に富士山では、低体温症の知識がなく登る人も多いので要注意!他人事と思わず、しっかり知識をみにつけることが大切です!

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